2018/06/04 19:45


最新作『Virtue』もやっぱり奇妙なアルバムだった!

ジュリアン・カサブランカスはThe Voidzというプロジェクトを立ち上げてから、ストレンジサウンドを生み出すことに余念がない。

ジュリアンと言えば2000年代の初頭、新世代ロックバンドの旗手として華々しくデビューしたThe Strokesのフロントマン。そして2014年にジュリアン・カサブランカス+The Voidzとして再びデビューする訳だが、そのメンバーの風貌たるや圧倒的にダサい!しかもハードロック寄りの音楽はストロークスの方向性とは真逆もいい所(後々リンクする部分も多々あると分かるのだが)。The Strokesのファンからするとおったまげーな奇想天外サウンドであった。

しかしである。その常軌を逸したサウンドを聴けば聴くほど、実はこれもアリなんじゃないかと思える。いや、むしろかっこいいんじゃないか!と思わせるのが彼らの真骨頂。彼らの1stアルバム『Tyranny』はまさにそんな作品。特に「Human Sadness」の10分間のインパクトは本当に衝撃的だった。



2ndアルバム『Virtue』はバンド名もThe Voidzに一新した勝負作。ひと昔前もいい所のジャンクなハードロックが中心だが、ラテン系のリズムを刻む曲や弾き語りだけの曲も有り、バラエティに富んでいる。前作よりもサウンドの幅は広がっているというものの、しっちゃかめっちゃかな15曲はさすがにヘビーだ。もう少しコンパクトにした方が・・・とは思うものの、The Voidzのウリはやはり過剰さにあるのだろう。しかしながら根本にあるメロディーは抜群だし、サウンドの方向性は取り散らかっているが、バランスは取れているのがThe Voidzのすごい所。ここのバランス感覚に関してジュリアンの右に出る者はいないと断言できる。



最近のインタビューでジュリアンは“ザ・ビートルズが好きになれなくて、たいして聴かなかった”と言っており、それこそが彼のストレンジサウンドの源になっているのだなと思う。彼の異形ロック追求道に触れたい人は是非、『Virtue』を聴いて頂きたい!それと先日、BELONGスタッフのpikuminが書いた『Virtue』のレビュー(https://goo.gl/Tx3ekw)では、本作で彼らがリスナーに訴えかけるものを中心に書いているので、こちらも併せて読んで欲しい。(編集長yabori)