2018/08/12 14:04

世界中で称賛を浴びた『Nocturne』で一躍有名になったジャック・テイタム率いる、

ワイルド・ナッシングにメールインタビューを行った。

このインタビュー内容は8月中旬に更新予定のVol.24デジタル版ver.2.0に掲載する。

前作『LIFE OF PAUSE』はその『Nocturne』の反動で内省的な作品となったが、

今作『Indigo』はワイルド・ナッシングとは何か、一から見つめ直すことから始まったそうだ。

それゆえに過去から決別、新しい道に進むことを決めた作品になったようで、

それは先行曲「Letting Go」からも音として伝わってくるようだ。



インタビューは最新作だけでなく、ジャックの敬愛する日本のシティポップからの影響や

今作のルーツとなった3枚にも焦点を当てた内容となった。

ジャックはアメリカ在住にも関わらず、YMO関連のアーティストを熱心に掘り下げているようだった。

それではここで答えてくれたインタビュー内容を一部紹介する。

-前作から約2年半経ちますが、リリースしてからどのように過ごしていたのでしょうか。
ジャック:『Life Of Pose』をリリースするちょっと前にロサンゼルスへ移ったから、ここ数年の多くの時間をその街を知ることに費やしていたんだ。スタジオスペースに引っ越して、新しい音楽に着手するための基本的な拠点を構えて。新しいレコードの大部分はそこで生まれたんだけど、僕にとっては新しい試みだったポップミュージックの曲作りのセッションなんかも少ししたんだよ。

-1曲目「Letting Go」から振りきれた印象を受けました。前回のインタビューでは“自分が次にいくべきところが分からなくなった”と言っていましたが、今作では何か心境の変化があれば教えてください。 
間違いなく心境の変化はあったよ。このレコードに取り組むことは、プロジェクトをもう一度どう定義するかを明らかにするようなことだった。僕はワイルド・ナッシングとは何であるかという核の部分を本当に知りたいと思って、僕がこれまで作ってきたものがどんなものか振り返って考察してみる時間を作ったよ。「Letting Go」のような曲を書くことはとても自然に感じられて、数時間の内にまとまったんだ。『Life Of Pose』に関しては戦っているような気持ちがあった。自分自身の本能に抗うような、自分が不自然だと感じる感情の渦の中に自分を投げ込んでやっているような気持ちだったんだ。『Indigo』はまさに、受容のレコードなんだ。

以前ワイルド・ナッシングと共演したTHE NOVEMBERSの小林も新作『TODAY』のインタビューでは、

“自身の個性を見つめ直した”と語っており、お互いリンクする部分を感じた。

特に今回、インタビュー中にも出てきたロキシー・ミュージックはお互いのルーツに当たるのではないかと思う。

ワイルド・ナッシングとTHE NOVEMBERSはジャンルこそ違えど、近しいルーツや考え方を持っているように思えて仕方がない。

ジャックへのインタビューは今回で3回目になるという事もあり、難しい質問にも答えてくれたのがありがたかった。

特に自身で一度考えたことがあると言っていた「自分の音楽はどのように年をとっていくと思うか?」

という答えに窮するであろう質問に対して、自分の考えを交えて答えてくれたのはとても読みごたえがあった。

この質問は今後、BELONGで取り上げているアーティストにも是非聞きたいと思う!

めちゃくちゃ答えにくいと思うのだけど(笑)。(編集長yabori)